トルチェの呟き -さみしさのつれづれに-

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2023.07.19

7/19:遺言信託

本日は、お客様の遺言信託をホームにて行いました。といっても結果は不調に終わってしまいました。

何か月も前から四国におられる被相続人のかたと打ち合わせをして、そして本日公証人にも出張いただき、ひとつの仕事がおわるんだと思っていました。

公証人、立会人そして相続人が席につき、一番大事な質問をします。公証人が相続人に「被相続人になる人」を尋ねたその答えは「わからない」でした。首を横に振り続けます。利害関係者にあたる被相続人は席にはつけませんので、立会人になるわたしや利害関係者ではない縁者が、回答を強制しない誘導しないよう心配りしながらお聞きするも、放たれたその言葉は変わることはなく、調停は終了しました。目をつむったまま首を横にふっておられました。

公証人にはその権限において可能な限りのアドバイスをいただきました。わざわざご出張していただきましたが、お引き取りいただきました。

わたしには、相続人の「その人らしさ」がわかる気がしました。首を横にふるしぐさは、目の前の見知らぬ誰かからご自身を守っておられるような気がしました。ご親族は「昔から頑固やからねー」と笑っておっしゃられ、きっと相続人の昔の姿をしっておられ、そしてとってもいいご関係を築いてこられたからだとわかります。

そして、ご親族さまは、ここでの暮らしが不安のないものであることが、どこか影響したのかもしれないとおっしゃってくださっていました。深く嘆かれることなく、そのようにおっしゃってくださったことに、わたしも助けられました。

今回遺言信託の依頼をお受けして、段取りをすすめてきましたが、最後に不調にしてしまったのは、普段相続人をみているのにもかかわらず、この結果を見通せなかったことに責任を感じました。

ご親族様の、相続人と現在の被相続人に寄せる気持ちや、 できることを避けないで向き合おうとされる姿にあたたかい気持ちを感じました。

現在の資産の整理などをすすめながらも、この遺言信託は形にしたいと思います。