トルチェの呟き -さみしさのつれづれに-

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2023.07.01

7/1:パロさんと勉強会

なぜか入居者様も勉強会の参加者にまじっております・・・なぜに・・

自分の仕事以外の仕事はついぞ、よくわからないもので、そのご苦労や価値はわかりにくく、共感もおぼえにくいもののようにおもいます。普段スーパーで買物していても、銀行の窓口でも、コンビニやレンタルDVDのお店でも、歯医者にいっても、道路で交通整理をしている人をみても、大変だろうなすごいなあーっておもうことはあんまりないように思います。

わたしたちのホームのお仕事だけでもたくさんのかたとかかわっているように感じます。食事やお米の配達。内科や歯科や薬局のみなさん。デイサービスの送迎のスタッフさん、リハビリできてくださるスタッフさん、気に留めてみると、実にさまざまな人と仕事しています。

きょうは、うちのホームにきてくださる訪問理美容パロさんたちと勉強会をしました。きっかけはパロさんの実に率直なお気持ちからでした。ホームにて理髪の仕事をするにあたって、移動や移乗などの場面に接することへの不安を何とか少しでも解消したいというもので「車いすをお借りできますかねぇ・・」というものでした。そればならばと、うちのホームでいっしょに移乗移動の練習をしてみようということになりました。

井高野ホームにパロさんのスタッフ4名様をお招きし、2階談話スペースのソファをベッドにみたてて、ベッド車いす間の移乗移動を中心とした勉強会を、不肖わたしがお教えするかたちにてさせていただきました。

理美容のスタッフとしてお客様の身体に触れざるを得ない状況を悲観的にとらえるのではなく、積極的に受け止めようとされている姿勢に終始感心しつつも、できるだけ現場で判断がしやすいような知見を伝えるようにしました。身体介護に対し尊厳をもって接することについて、パロさんが敏感に反応を示されていたのは、普段からスタンスを同じくしているからだとも思います。

理美容のスタッフがホームのお客様に対して感じてる気持ちがわかるだけでなく、わたしたち自身の仕事がどんなふうに見えるのかも感じるところもあり、とても有意義でした。

その「有意義」のおみやげはとってもおおきくて、わたしとパロさんとの勉強会中に様子をみにきてくれたスタッフさんにも、介護の基本的な動きのルールを間接的にお伝えするきっかけにもなりました。もっと自分たちの身体介護の技術や知識にみがきをかけなければいけないという課題にも気づきがありました。がんばらねばです。

わたしは普段理美容さんのお仕事は、介護に通じるところがたくさんあるなぁとおもっていました。はじめて会うひとに対してどんなふうにアセスメントをとってラポールをかけて信頼をきずいて満足していただくか。声のかけかたには、知識やユーモアなどセンスがいりますし、なによりお客様への敬意をもたないとできない仕事のように思えます。カットや洗髪のときに中腰の姿勢は腰に対する負担も大きく、鏡の前で相手と視線の高さを合わせる動きも介護に相通じるものを感じます。お客様のもつ様々なニーズに対して、都度自分の力だけで提案し満足していただかないといけない、とてもチャレンジングな仕事のようにわたしには見えます。

今後にむけて、きょうの勉強会は発展させていかにゃいかんとしみじみおもいました。

きょうは、わたしどもの知見をパロさんにお伝えする機会ではありましたが、わたしたちも彼らから学ぶことがたくさんあります。