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トルチェの1日

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2021.09.20 住吉公園

9/20:家族の体にふれること

ともにすむ母親の足がふとめにとまり、爪が伸びているのに気づきました。「きりましょか」と声をかけると、おどろいたのか恥ずかしいのか「切ってくれるの?」と苦笑いしていました。普段から女性らしい靴を履く母は、足に負担もかけていて、気の毒な爪の形をしていました。 こどもに、そんな話をしていると、「おかあさんのつめ、すごい切りにくいかたちしてるんよ」と。なんやかんやと説明してくれます。おそらく、母が子に頼んだのだろうと思います。切れたかどうかはわからないですが、おどろきとうれしさを覚えました。母の体にふれることにためらいがないことにうれしく感じたのだと思います。 この仕事をしていると、妙な感触を覚えることがあります。家族の体にきちんとふれない。言葉ではつながっているように見えても、ぬくもりのある関係には感じないことがあります。わたしには、わたしたちが世代をかさねるなかで、大切ななにかを置いてきてしまったように思えます。わたしたちのこの仕事では、その何かに気づきやすいところに居ているように感じます。