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トルチェの1日

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2024.04.30 江坂

4/29:りんごがむけなくても

おそるおそるかぼちゃをきってみます。ちなみに、鍋はガス火用のものを用意してしまって、間違えてしまいました。(ごめんなさい!どうせふしあなです!)
これくらいでいいですかね・・・(いいよ!)
すのものもつくってみます(切れてるよ!
電子レンジもつかってみます。時短で大根をやわらかく。(4分か?いや5分か!)
味付けも教わります。今日はめんつゆをつかいます。(万能だぜ!)

普段おうちで毎日ごはんをつくって、家族に食べてもらって、なんとなくお料理を覚えたりするもんなのかなと、わたしは思うのですが、家で作る環境がなかったら、なかなか自分で作ることもないのかもしれません。

女性のヘルパーさんだから、きっとお料理ができるはず、というのも、もしかしたら、今は偏見になっちゃうのかもしれないなとも思ったりします。

わたしたちの訪問介護での調理のお仕事は、なかなかにむつかしいです。キッチンはお客様の数だけ環境もちがいますし、お道具も個性があります。食べたいもの、食べられないものも、とっても個性があって、ほんとにむつかしいです。家族さまの関わり具合にもあわせたり、お料理の作る数も次にくるヘルパーさんに合わせて調整したり、金銭的にも配慮がいることもあります。料理の経験がないヘルパーさんには、限られた時間のなかで「あるものでつくる」なんてことはとっても緊張してしまいます。

そもそも、家族ではない人がその手でつくったものを、口にいれること、そのものが身体介護(入浴や排泄)より受容のレベルが高い行為であると思われます。気持ちを許していなければ、決してできないことだとおもいます。

「手ごねハンバーグがたべられない!」というひとに会ったことがありますが、そこまでではなくとも、おにぎりも、家族や好きなひとのものはたべられるけど、そうじゃないものは、わたしちょっと抵抗があったりします。(おもいきっていいます)

訪問介護の有効求人倍率は15倍もあるらしく(ひとりの求職者に15の会社が手をあげている)、介護業界でも就業を希望する人はなかなかない状況です。しかし日々お客様のお気持ちに耳を傾けていますと、なかなかご要望にこたえることはむつかしく、せっかく来てくれるスタッフを、結果的にはお客様自身がうしなってしまう構造になっています。来てほしいヘルパーさんに固執するあまり、ヘルパーさん自身がいなくなってしまう。わたしたちは、わたしたちの少し先の未来のために、ヘルパーさんを市場に存在させないといけない。

なんて、まじめなことをいいながら、きょうはおうちで料理したことないよーっという男性のヘルパーさんに調理の研修を管理者さんがしてくれました。丁寧にひとつひとつの行程をちゃんと実践しながら説明してくれていました。

かぼちゃのにもの、きゅうりのすのもの、大根のにものをつくってくれました。

どれもいいお味でした。かぼちゃもちょうどいい固さで、わたしの好きなお味でした。

こんどは、リンゴをいっしょにむいてみますかね。だれかが入院したときにもね、覚えておこうね。

訪問介護のこと、ヘルパーさんのことなどなど、またゆっくり書いてみたいとおもってます。